JR大阪駅から程近い、お初天神の東側に「瓢亭(ひょうてい)」という、お蕎麦屋さんが有ります。
昔、評判を聞いて、食べに行った事があり、その時、お土産に、なま麺を買って帰りました。
http://www.hyoutei-soba.com/
ここは、変わり蕎麦「ゆず切りそば」(柚子の皮を更科蕎麦に混ぜ込んだもの)を(確か!?)昭和29年から
製造、販売している事で有名です。(小生と同い年ダ!)
「夕霧」そばと名付け、"ゆず切り"と"夕霧"と言う語呂合わせ以上に、納得する美味しさでした。
小生も、真似て作ってみましたが、とてもその美味しさに近づく事はかなわず、断念しました。
さて、その瓢亭のお土産として買って帰ったそばに添付されていた「茹で方」のパンフが、
ひょんな所から出て来て、改めて読み返して見ましたが、
「オヤ!?」と思ったので、以下に書き出した見ます。
生そばの召上り方
先ず手ごろな鍋にお湯をたっぶり沸かして靖きます.
一、熱湯の湯玉がわきたった処へ生そばをさばいて入れて頂きます。
二、生そばを入れると一たん温度が下りますが、一、二分で再び湯玉が上って参
ります。その時おどり水と云って手杓に半分程湯のわきたって居る処へ水を
注ぎます。
三、水の注入によって又温度が下りますが、再び湯玉がわき上ってきた時、又お
どり水を注ぎます。
四、こうして二、三回おどり水の注入を繰返す間に、生そはの芯がとれて、召上
って頂ける様になりますから、生そばの芯さえとれますれば、皆様の御好み
に応じて、適当な堅さの時、ざる籠に生そばをすくい上げて、冷水で何回も
水洗いしてざる籠に盛り、適当な器に分けて冷いそばを召上って頂くのがざ
るそばでございます。
実は、これは、プロの方の茹で方!と断言できます。
当店の茹で釜のお湯の量は、600リッター程、おそらく、瓢亭の茹で釜のお湯の量は60~100リッター。
この中に数百グラムの麺を入れても、一時的には沸騰が沈むかも知れませんが、すぐに湧き上がってしまいます。
麺を茹でる為には、麺の中に水分を吸収させる必要が有りますが、
湧き上がってしまうと、麺がお湯の表面に浮き上がった状態になり、
全ての麺を茹でる為には、瓢亭のパンフにあるように、湯玉に踊り水(びっくり水)を掛けて
沸騰を静める必要が有ります。
つまり、プロの道具は、茹で湯の量が多いので、
芯まで茹でる為に、何度も踊り水(びっくり水)を掛ける必要がある訳です。
当店の茹で方を、もう一度、読み返してみて下さい。
湧き上がってきたら、「火力を弱め、お湯の中で、麺が回る様にしてください」としています。
せいぜい2リッター程のお湯に、踊り水を掛けて冷やしてしまうと、
再び湧き上がるまで、相当の時間を必要とし、
その間に麺は、必要以上の水分を吸い込んでしまう事になります。
プロとアマの差は、茹で湯の量に関係している訳です。
だからと言って、瓢亭のパンフを批判するつもりは、有りませんので。
結局は、茹でられる「あなた」の道具に合わせた方法を、見つけていただくための、
ヒントを、我々業者はご提案しているだけなのです。
<追記>
踊り水(びっくり水)を掛けて!と言うと、
踊り水(びっくり水)は、スーパーに売ってるんですか?
という、質問をされます。
売ってません!!
って言うか、水道の水で良いのです。
当店のゆで方に有るように、沸騰を押さえるのに、火力調整が間に合わない時の為に
コップ半分位の量の水を一応、用意しておいて下さい。水道水で良いです。
使わずに済む方が、茹で時間を短縮出来ます。
2012-01-09 17:48:22
麺(めん)
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